火焔菜(ビーツ)のスープ

火焔菜、と聞いて何のことだかわかる日本人はあまり多くないと思います。私も、国外へ留学するまで全く知りませんでした。ちなみに、日本語訳がわからずGoogleで検索したので、火焔菜という言葉を知ったのは今日です!(威張れない・・・。)

英語圏ではビーツ、またはビートルートという名で流通しているこの野菜、実は砂糖の原料にもなるテンサイの仲間の植物で、赤紫色のカブみたいな形ですが、甘みが強く美味しい根菜です。(ちなみに葉っぱも食べられます。)私はこの火焔菜を、他の野菜と一緒によくスープにしてしまいます。ロシアの方で有名なボルシチ風ではなく、ハンドミキサーで撹拌してしまうので、写真のように美しい(・・・と思うかどうかは人によりけりでしょうけど)赤紫色のスープになります。色は強烈ですが、子供たちが食べてくれるので、うちでは割と頻繁に食卓に登場します。

逆に、日本でよく見るカボチャはイギリスでは滅多に見ない高級品。甘いカボチャのスープが食べたいと思っても、そもそもあまり売っていないか、異様に高いのであまり買いません。イギリスや北米で「パンプキン」というと、形は似ていてもオレンジ色、つまりハロウィンにくり抜いてカボチャのランタンを作るのに使うものを指します。もちろん食べられますが、大きくて切るのに苦労する割に甘味は少なくて、私はあまり美味しいと思ったことはありません・・・。

さて火焔菜に戻りますが、スーパーなどでは、なぜか皮を剥いてすでに加熱してあるものを真空パックで売っていたりもします。これはもう、そのまま切ってサラダなどに入れたり、メインディッシュの脇役としていただいたりするようですが、やはり新鮮な茹でたてと比べると味が落ちる上に、私の好きな葉の部分も付いてこないので滅多に使いません。皮さえ剥けば生でも食べられるので、千切りにしてサラダに入れてもシャキシャキして美味しく、また彩りを添えてくれる優れものです。最近は、これをスパゲティ状にカットしてパスタの代わりに使う人もいるようです。

このように、私の大好きな火焔菜ですが、実は欠点が一つあります。元凶はこの強烈な色。調理する際はきちんとエプロンを着け、ハンドミキサーでスープを攪拌する際には飛び散らないように細心の注意を払わないと、赤紫のシミが至る所にへばり付くことになります。もしこの野菜をお手に取る際にはご注意ください。

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