バロックヴァイオリニスト?

このウェブサイトを開いて、なぜ名前の下に”Historical Violinist”とあるのか、気になった方はいらっしゃいませんか?

実は、バロックヴァイオリン奏者、というのは少々誤解を招く言い方です。そもそも古楽演奏習慣(この言葉についてはまた別の機会に説明します。)についてのリサーチが始まった時代には、ずばりバロック音楽の演奏習慣についての研究と試みが主だったために、バロック時代に用いられていた楽器、または楽器のコピーを使用して演奏するヴァイオリニストを、バロック ヴァイオリニストと言い始めたのが恐らく始まりでしょう。

ですが、実際には殆どの「バロックヴァイオリニスト」はバロック時代からロマン派まで、各時代にふさわしい楽器を使っての演奏活動を行なっています。バロックヴァイオリニストだからといって、バロック時代の音楽しか演奏しないわけではないのです!より正確な表現にすれば“Historical Violinist”-ヒストリカル ヴァイオリニスト(もしくはPeriod-ピリオドという表現も使われます)になるのですが、この言葉、まだ一般の方には馴染みが薄いと思うので、便宜的に通りの良いバロックヴァイオリニスト、という表現を選びました。

突き詰めていくとなかなか奥が深い古楽の世界ですが、初めは難しいことは考えず、気楽に楽しんでいただけたら幸いです。上記の事情はともあれ、少なくとも私のメインレパートリーはやはりバロック音楽。たった一楽章で演奏時間が20分を上回ることの多いロマン派の音楽と違って、バロック音楽は1曲の演奏時間が短く(物によっては30秒以下から、どんなに長くても13分くらい)、しかも曲のキャラクターがわりとはっきりしています。ある意味、ポピュラーミュージックにより近くわかりやすいと考えると、聞いてみたくなってきませんか?

Verified by MonsterInsights